[メイン3] エイハブ : ───20××年 某日 某時刻

[メイン3] エイハブ : まだ寒気が続いているにも関わらず
妙に茹だるような熱気さえも感じていた。

───幻視。いや、これは間違いなく
仮面を巡った"意思"のせめぎ合い、その前触れ。

[メイン3] エイハブ : 俺は、歩を運びながら
───仮面を求めていると言われる"ゾンビ"を探す。
財団からの情報によれば、被害はすでに出てはいるが……そのエリアに増援は現在必要はないと言われている。

[メイン3] エイハブ : 俺は、更なる敵を捕捉するべく
単身で"潜入"していた───……

[メイン3] ジョジョ : 「……あの、すみません」

[メイン3] エイハブ : 「………」
突然───声をかけられ
見れば、丸太のような根付いた足から見上げていけば、目を見張るほどの巨漢が立っていた。

[メイン3] エイハブ : 「…………アンタは?」
只者ではない。一目で、そうわかった。

[メイン3] ジョジョ : 「信じてくれないかもしれないですけど……」

「突然ここに来て……何処か分からないんです」

[メイン3] ジョジョ : 「案内などを頼めるでしょうか?」

[メイン3] エイハブ : 「…………? 一体、どういう事だ?

 それに見たところ……その服装は妙に古めかしい」
突然ここに来て、何処かわからない。
その言葉は、俺にとって───決して他人事ではなかった。少なくとも一年前は。

[メイン3] エイハブ : そして何より───『今』も"通用"する独特なセンスだが
その服装は、80……90年代……いや、もっとそれより以前の芸術性を感じた。

[メイン3] ジョジョ : 「……やっぱり、どういうことか分かりませんよね……」

[メイン3] ジョジョ : 「しかしッ!ぼくも同じく、今ぼくがなぜかここにいるということしか分からなくて……」

[メイン3] エイハブ : 「───坊主
 今は『20××』年だ」
その声の通りからして、"若々しい"事がわかり。
同時に、この青年が何者なのかが気になり、そう呟く。

[メイン3] ジョジョ : 「えッ……!?」

[メイン3] エイハブ : 「───やはりな……お前"も"か」

[メイン3] ジョジョ : ぼくが豪華客船でディオと対面したのは……
1889年……
そんなバカなッ!100年以上も経っているじゃないかッ!

[メイン3] ジョジョ : 「お前も……?」

[メイン3] エイハブ : 「……俺は”1984"年からやってきた
 かつては9年も眠ったが、今度はそれどころでは済まなかった」

[メイン3] エイハブ : 「───坊主、となればお前も……
 この一件は、『無視』できないものだ」

[メイン3] ジョジョ : 1984年……
この時代よりかは遠いけど……
それでも時代が違うッ!

[メイン3] ジョジョ : 「……一体……」

[メイン3] エイハブ : SPW財団のエージェントである前に、俺は───エイハブ。
この男にも『教えなければならない』───……。

俺は、今回『起こるかもしれない』騒動と、その起因となった『星』
そして……

[メイン3] エイハブ : ───星に眠っていた『石仮面』の事を、口にした。

[メイン3] ジョジョ : 「……石……仮面……」

[メイン3] エイハブ : 「かつて、全て"破壊"されたという情報を聞いている
 『ジョースター』によって……」

[メイン3] ジョジョ : ジョースター……『ジョースター家』ッ!
ぼくの……ぼくの家の名前だッ!

[メイン3] ジョジョ : それに石仮面……
あるというのかッ!
ディオにあの呪われた力を与えたあの仮面がッ!
今この、百年以上も時を隔てたこの時代にッ!

[メイン3] エイハブ : 「!! ……」
その反応を見て、この男の正体───その確信に至る。

[メイン3] エイハブ : 「坊主……

 名前はなんて言う」

[メイン3] ジョジョ : 「……ジョナサン・ジョースター」

[メイン3] ジョジョ : 「ちぢめて、『ジョジョ』だ」

[メイン3] エイハブ : 「───ジョナサン・ジョースター……!!! ジョジョ……か」

SPW財団に所属し、何度も耳に挟み、耳朶に触れてきた。
ジョースター家。その先祖……財団の発足、その遠因となった男。

『ジョナサン・ジョースター』……

[メイン3] エイハブ : 「となれば……話は早いかもしれないな
 この町には、今カバーストーリーの下、その実、避難命令が出されている」

[メイン3] ジョジョ : 「避難命令だってッ!?」

[メイン3] エイハブ : 「───石仮面の『引力』に惹かれてか……

 "ゾンビ"によって、な」

[メイン3] ジョジョ : 「ゾンビ……」

[メイン3] ジョジョ : 吸血鬼が作り出す動く死体……
吸血屍人!
それがこの街に居る……!?

[メイン3] エイハブ : 「坊主───いや、"ジョジョ"
 あんたの事はよく知っている……かつて存在した仙道"波紋"の使い手である事も
 太陽の光が描く……その形を呼吸によって放つ……と」

[メイン3] エイハブ : 「財団への報告は後だ、余計な混乱を生むかもしれない
 だが俺の、自己判断だ。

 あんたはこの件を見過ごしてはいけない存在、そう俺は考えている」

[メイン3] ジョジョ : 「……ああ」

[メイン3] ジョジョ : もしぼくが絶ったと思い込んでいた石仮面の呪いが、この時代にまで残っているとするならば。

[メイン3] ジョジョ : 決着は付けなければならない。

[メイン3] ジョジョ : たとえこの身が、この時代にとっての異物だとしてもッ!

[メイン3] エイハブ : 「───」
その目を見て、俺は口角を上げ……

[メイン3] エイハブ : 「俺は、エイハブだ
 よろしく頼む───"スピードワゴン"財団に保護されて以来
 帰る場所もない。知らない。だからエージェントとして活動している」

[メイン3] ジョジョ : 「……“スピードワゴン”」

[メイン3] エイハブ : 「ああ───設立者は

 ロバート"EO"スピードワゴン」

[メイン3] ジョジョ : 「……そうか」

[メイン3] ジョジョ : スピードワゴン……
『遺す』事をエリナに託してしまったぼくと違って……
きみはやり遂げたのか……

[メイン3] ジョジョ : のちの世界に……
人の為となるモノを『遺す』ことを……

[メイン3] エイハブ : 「時代を超えても───あんたの子孫を、全力で支援する為だと

 ………良い友人をもったな」

[メイン3] エイハブ : 『他者の意思を尊重し、そして自らの意思を信じること』───……
きっと、スピードワゴンという男には、できたのだろう。

[メイン3] エイハブ : そして、おそらく

俺の目の前にいる男も。

[メイン3] ジョジョ : 「ああ。かけがえのない、友人だ」

[メイン3] ジョジョ : 親をやれなかったぼくの代わりに、ぼくの子孫を、そして『残してしまった』エリナを守ってくれたのは、君だったんだね……

[メイン3] ジョジョ : ……ならば、この一度失った身体は、その御礼の為に使うべきだッ!

[メイン3] エイハブ : 「───フッ
 ……ジョジョ、俺達は過ぎ去った『過去』そのものだが
 ならば、過ぎ去ったにもかかわらず残った因縁も、過去へと引きずり」

「そして全てを、元に戻そう」

[メイン3] ジョジョ : 「……ああ!」

「『今』になってしまった『過去』を引きずり戻す権利は、『過去』から来たぼくたちにだけあるッ!」

[メイン3] エイハブ : 「───…………」
無言で、ニヤリと返し───歩を揃える。

                   ミッション
これは『マイナス』を『ゼロ』へと戻す、任務だ。

[メイン3] エイハブ :  

[メイン3] エイハブ :  

[メイン3]   :

[メイン3] テネブレア :  

[メイン3] テネブレア :  

[メイン3] テネブレア : 駿河ちゃん早いわ〜私が追い付けないんだもの〜

[メイン3] テネブレア : まぁ…ドンパチやってるだろうし、そんなに急がなくても良さそうね〜

[メイン3]   : 戦闘音を追う少女...少なくとも見た目は...の頭上!
何かが明るく光る!

[メイン3] テネブレア : 「ふ〜んふふんふ〜ん〜」

[メイン3] テネブレア : 「…?」

[メイン3] 黄猿 : その一瞬後、光を纏った男がテネブレアの前に現れる

[メイン3] テネブレア : 「あら……?」

[メイン3] 黄猿 : 「すまないねェ嬢ちゃん、ちょっとお尋ねしたいんだけどォ〜...」

[メイン3] テネブレア : 「…なにかしら〜?」

[メイン3] 黄猿 : 「『赤石の仮面』ってどこにあるか知ってるかねェ〜」

[メイン3] テネブレア : 「あーアレね〜」

[メイン3] テネブレア : 「もう誰かが手に入れてるんじゃないかしら〜?」

[メイン3] 黄猿 : 「う〜〜んもう誰かに取られてるかァ〜」

[メイン3] 黄猿 : 「困ったねェ〜」
髭をかく

[メイン3] テネブレア : 「おじさんも大変そうね〜〜」

[メイン3] テネブレア : 「じゃ、私は行かないといけないから〜」

[メイン3] 黄猿 : 「そうなんだよねェ〜任務も大変で...」

[メイン3] テネブレア : 黄猿の横を通り過ぎようとする。

[メイン3] 黄猿 : 「おっと待ちなよォ〜」

[メイン3] 黄猿 : 光り輝く足が通り過ぎるテネブレアの前に突き出される

[メイン3] 黄猿 : 「困ったついでにもう一つ...」

[メイン3] テネブレア : 「……?まだ用があ…………う、あっ……!!」

[メイン3] テネブレア : 突き出された脚に吹き飛ばされ、壁にへと打ち付けられる。

[メイン3] テネブレア : 「い、いったぁ〜い……私じゃなかったら死んでたわよ…?」

[メイン3] 黄猿 : 「お〜〜っとすまないねェ〜...でもねェ...」

[メイン3] テネブレア : 「…………」

[メイン3] 黄猿 : 「海軍大将として、君のような化け物は見過ごせないねェ〜!」

[メイン3] 黄猿 : 既に見聞色で分かっている、目の前の少女は...

[メイン3] テネブレア : 「私が化け物…化け物ね〜?普通の女子高生ですけど〜☆」

[メイン3] テネブレア : 埃を祓い、立ち上がる。

[メイン3] 黄猿 : 「見た目はねェ〜...中身はどうかな〜?」

[メイン3] 黄猿 : 蹴られた少女の前に、

[メイン3] 黄猿 : 光り輝く足を突き出す!
その足から、直線の光!

[メイン3] テネブレア : 「………っ!」

[メイン3] テネブレア : …D4C!

[メイン3] テネブレア : 瞬く間も無く、並行世界へと移動し。

[メイン3] 黄猿 : 「...消えたァ〜?」

[メイン3] テネブレア : 新たな私が、出る。

[メイン3] 黄猿 : 光と共に崩落する街路を見渡す

[メイン3] テネブレア : 「おじさん、危ない人ね〜」

[メイン3] 黄猿 : 「...おやァ〜?姿が変わったねェ〜」

[メイン3] テネブレア : 「気のせいよ〜」

[メイン3] 黄猿 : 「スタンドってやつかい?怖いねェ〜...」
次の攻撃に移ろうとする...

[メイン3] テネブレア : さて…どうしようかしらね〜…

[メイン3] テネブレア : 「…D4C!」

[メイン3] 黄猿 : 「なんだァ〜?」
攻撃を止める。『スタンド』は彼にとって未知!

[メイン3] 黄猿 : 何が起こるか、何をするか、見聞色で見極めようとする...

[メイン3] テネブレア : 並行世界から、大きな大きな鋏を取り出し、構える。

[メイン3] テネブレア : 「これでチョキチョキ切ってあげるわね〜?」

[メイン3] 黄猿 : 「どこから出したのかなァ〜...怖いねェ〜...」

[メイン3] テネブレア : 黄猿に向かって、鋏を投げつける。

[メイン3] テネブレア : 「…はぁっ!」

[メイン3] 黄猿 : 凄まじい勢いで投擲される鋏!
その刃は...

[メイン3] 黄猿 : 黄猿の上半身と下半身を、切断!

[メイン3] 黄猿 : 勢いのまま、切断された上半身は地面に落ちる!

[メイン3] テネブレア : 「…やったのかしらね」

[メイン3] 黄猿 : しかし、下半身から血は出てこない

[メイン3] テネブレア : 「……………?」

[メイン3] 黄猿 : 「おお〜〜、ビックリしたねェ〜〜」

[メイン3] 黄猿 : 光に包まれたかと思うと、2つの肉片は接合。元通りとなる!

[メイン3] テネブレア : 「………凄いわね〜どんな手品なのかしら?」

[メイン3] 黄猿 : 「そっちの方がすごい手品だと思うけどねェ〜」
先程の鋏と回避を思い出しながら

[メイン3] テネブレア : 「ふぅん、じゃあ、お互い様ってことね〜?」

[メイン3] テネブレア : ……不味いわね〜あの早さは…スタンド使うくらいしか手が無いわね

[メイン3] 黄猿 : 「そっちは悪魔の実でもないだろうに、わっしとお互い様とはねェ〜...」

[メイン3] テネブレア : 「悪魔の実。そんな素晴らしい名前のものがあるのね〜?」

[メイン3] テネブレア : 「色々と教えてくれてありがとう、おじさん〜☆」

[メイン3] 黄猿 : 「ああ、あるよォ〜。まさか知らなかったとはねェ〜...」

[メイン3] 黄猿 : 「ここで逃したら、もっと厄介になりそうだ」

[メイン3] 黄猿 : 「次はこれでいくよォ〜...」

[メイン3] テネブレア : 「……………」
…来る。

[メイン3] 黄猿 : 黄猿の全身、特に足が光り輝く

[メイン3] 黄猿 : 「今度は本気だ」

[メイン3] テネブレア : 「…………」

[メイン3] 黄猿 : 「光の速さで蹴られたことはあるかい?」

[メイン3] テネブレア : 「さっきのは違ったのかしら〜?」

[メイン3] 黄猿 : 「本気っていったろう、武装色も付けとくよォ〜...!」
目の眩むほど輝き、そして!

[メイン3] 黄猿 : 瞬きよりも速く、足で壁と挟み込むように、テネブレアを叩きつけた!

[メイン3] テネブレア : 「D4C!」

[メイン3] テネブレア : 後一歩寸前、と言うところで並行世界へと移動し。

[メイン3] テネブレア : また新たな私が呼び出される。

[メイン3] テネブレア : 間一髪の、所だ。

[メイン3] 黄猿 : 破壊と砂埃の中、また新たに現れた少女に目を見張る

[メイン3] 黄猿 : 「これも逃れたかァ〜〜。えらいねェ〜」

[メイン3] テネブレア : 「危なかったわ〜本当に…その速さは本当に危険ね」

[メイン3] 黄猿 : 「スタンドってやつかい?便利だねェ〜...」

[メイン3] テネブレア : 「そうよ〜?スタンド無くてもその速さなんてズルもいい所ね〜」

[メイン3] 黄猿 : 「んん〜?そうだね〜...スタンドねェ〜」

[メイン3] 黄猿 : 「実はわっしも持ってるんだよ」

[メイン3] テネブレア : 「………え?」

[メイン3] 黄猿 : 「そうだねェ〜アンタは強い。本当にとてつもなく」

[メイン3] 黄猿 : 「なら、そろそろ見せておこうか」
黄猿の背、光球が輝く

[メイン3] テネブレア : 「眩しいわね〜…それが…」

[メイン3] 黄猿 : 「ん〜?違う違う。下だよ下」

[メイン3] テネブレア : 「……下?」

[メイン3] 黄猿 : 長い長い影が黄猿から伸びている

[メイン3] テネブレア : 影が伸びている。不思議で仕方がない

[メイン3] セト神 : 不可思議なことにそれには目がついており...

[メイン3] 黄猿 : 黄猿の落とす影の当直線、それは既に、テネブレア
を捉えている!

[メイン3] テネブレア : 「これは…何か知らないけどまず…!」

[メイン3] 黄猿 : 「『セト神』っていうらしいよォ〜」

[メイン3] 黄猿 : 「無駄だよォ〜!今死ぬよォ〜!」

[メイン3] テネブレア : ピカピカの実で照らし出されてる以上、影は、消すことが出来ない。

[メイン3] テネブレア : 私は、スタンド攻撃を喰らってしまう

[メイン3] 黄猿 : スタンドの力が、テネブレアを小さく、小さく、小さくする!

[メイン3] テネブレア : だが、外見は変わらない。

[メイン3] テネブレア : 「……あっ……う…」

[メイン3] テネブレア : なんだか…ねむくなってきた…

[メイン3] テネブレア : 「…………………」

[メイン3] 黄猿 : 「赤ん坊からやり直すといいよォ〜」

[メイン3] 黄猿 : 「さて...後始末は海兵がやるでしょう」

[メイン3]   : 口も聞けない。精神が若く…幼くなってしまったのだから

[メイン3] 黄猿 : 「それまでここで待つといいよォ〜いい子にしながらねェ〜」

[メイン3] テネブレア : 「………………」

[メイン3] 黄猿 : 赤子に背を向ける

[メイン3] 黄猿 : そして光の粒子へと体を変え...

[メイン3] 黄猿 : 「このまま仮面を狙う相手は消して、わっしが取るよォ〜...仮面」

[メイン3] 黄猿 : 瞬きより速く、その場から消え去った

[メイン3] テネブレア : 「…………」

[メイン3]   : ただ待つだけしか出来なくなってしまった。

[メイン3]   : あわれなあわれな……幻影の王。

[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3]   :  

[メイン3] 氷室 セナ :  

[メイン3] 氷室 セナ : 「……ん?」

[メイン3] テネブレア : 「…………………」

[メイン3] 氷室 セナ : おかしな、ものだった

[メイン3] : へたり込んでいる。幻影の王

[メイン3] 氷室 セナ : 何やらみたことある服装の中に…赤子?

[メイン3] 氷室 セナ : いや…違う

[メイン3] 氷室 セナ : 反応だけは赤子、だが

[メイン3] 氷室 セナ : 「…テネブレア?」

[メイン3] 氷室 セナ : 倒れ込む彼女の側に屈む

[メイン3] テネブレア : 「……………」

[メイン3] 氷室 セナ : 軽く触れてみるが、やはりおかしい

[メイン3] 氷室 セナ : 「怪我ですか?」

[メイン3] テネブレア : 「…………まま?……」

[メイン3] 氷室 セナ : 「え?」

[メイン3] テネブレア : 「ままー!!!」

[メイン3] テネブレア : セナに抱き着こうとする。

[メイン3] 氷室 セナ : 「っと」

[メイン3] 氷室 セナ : がっしり受け止める、患者を運ぶ経験も多いため揺るがない

[メイン3] テネブレア : 「ままっ……ままぁ……!!」

[メイン3] 氷室 セナ : 「ちょ…いや」

[メイン3] 氷室 セナ : 「……これは」

[メイン3] 氷室 セナ : 明らかにおかしい、反応もそうだが

[メイン3] テネブレア : 「うぇぇぇぇぇぇん!!!ままぁぁぁ!!!!」

[メイン3] 氷室 セナ : 先ほど出会った時よりも、明らかな精神力の朧さを感じる

[メイン3] 氷室 セナ : 「っ…もう、大丈夫です、私が来ましたから」

[メイン3] 氷室 セナ : 「よくわかりませんが、わかりました」

[メイン3] テネブレア : 「ままっ!!!ままっ………う…っぐす……」

[メイン3] 氷室 セナ : 「貴女も『患者』に…なりましたか」
瞳を鋭く、そのまま抱き上げて

[メイン3] 氷室 セナ : 「はいはい…困りましたが、これも仕事です」

[メイン3] 氷室 セナ : …こちらの事案も、聞いた事がある

[メイン3] テネブレア : 「ままぁ………」

[メイン3] 氷室 セナ : 列車での集団老化事案、スタンドによるもの

[メイン3] 氷室 セナ : 「…何故母親に認識されてるかはわかりませんが」

[メイン3] 氷室 セナ : 「記憶も年相応ならば、恐らく刷り込みに近しい、か?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…兎も角、今は急患になる」

[メイン3] 氷室 セナ : 抱き抱えつつ、歩き出す

[メイン3] テネブレア : 「うぇえええん!ままぁ……」

[メイン3]   : セナと一緒に歩き出す。

[メイン3] 氷室 セナ : 「…何故泣いているのですか」

[メイン3] 氷室 セナ : 「空腹?或いは怪我でしょうか」

[メイン3] 神原駿河 : カツン、カツンと七七を背負い歩いてくる

[メイン3] 氷室 セナ : 「…おや」

[メイン3] 神原駿河 : 「あ、セナさん!」

[メイン3] テネブレア : 「ままぁ………!」

[メイン3] 神原駿河 : 「……まま?」

[メイン3] 七七 : 「……まま?」

[メイン3] 神原駿河 : 「……」

[メイン3] 氷室 セナ : 「恐らくスタンドの襲撃を受けた様です」

[メイン3] 神原駿河 : 「……あ、ああ」

[メイン3] 七七 : 抱き抱えられたまま、ひょこりと神原の背中から顔を覗かせる。

[メイン3] 氷室 セナ : 「彼女の精神が退行し、明らかに記憶も喪失している」

[メイン3] 神原駿河 : 「なるほど、うん、流石にそうだよな」

[メイン3] 神原駿河 : 一歩引きかけた足を、元の場所に戻す

[メイン3] 七七 : 「せなは、ままなの?」

[メイン3] 神原駿河 : 「いや、てっきり私は…」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…今は少し、何故困っているかの推測に困っている所です」

[メイン3] 氷室 セナ : 「いえ…私は17歳、まだ未成年です」

[メイン3] テネブレア : 「ままぁっ!!!!!!」

[メイン3] 氷室 セナ : 「ああはい…どうかしましたか?」

[メイン3] 神原駿河 : 「ああ、いや……いわゆる“プレイ”かと」

[メイン3] 氷室 セナ : 「……」

[メイン3] 七七 : 「……?」

[メイン3] ロレンチーニャ : 電撃を軽くぶつける

[メイン3] 神原駿河 : 「ガッファァァ!?」

[メイン3] 神原駿河 : 七七を咄嗟に離して一人で痺れる

[メイン3] 七七 : 「う。」

[メイン3] テネブレア : 「きゃっきゃっ!」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…まったく」

[メイン3] 氷室 セナ : 「私に対しては良いとしても、患者に偏見を向けるのはよくない」

[メイン3] 氷室 セナ : 「障害はあくまで障害です」

[メイン3] 神原駿河 : 「そ、そうれふね…」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…テネブレアもこのまま搬送します」

[メイン3] テネブレア : 「まま……?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「スタンドの効果であれば、何かしら解消は可能…な筈ですから」

[メイン3] 七七 : 「……するが。この人も、おともだち?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…はい、行きますよ」

[メイン3] 氷室 セナ : 仕方ないと言わんばかりに息を吐いて

[メイン3] 神原駿河 : 「多分、そうは」

[メイン3] 氷室 セナ : そのままテネブレアを抱き抱えて進む

[メイン3] 神原駿河 : 電撃で舌足らずになった口調で答える

[メイン3] テネブレア : 「ままぁぁ…………」

[メイン3] 七七 : 「……わかった。するがのおともだち、変な人、多い。覚えた」

[メイン3] 氷室 セナ : 「……」

[メイン3] 神原駿河 : 「否定はしない」

[メイン3] 氷室 セナ : らしくなく困った様にしつつ

[メイン3] 神原駿河 : 「何故なら、類は友を呼ぶからだ」

[メイン3] 七七 : 「……あ。」

[メイン3] 七七 : 「……しまった。七七も、変な人になってしまう」

[メイン3] テネブレア : 「……………?」

[メイン3] 神原駿河 : 「……まあ、それはそれとして」

[メイン3] 神原駿河 : スクリと立ち上がる

[メイン3] 氷室 セナ : 「…ほら、行きますよ」

[メイン3] 氷室 セナ : 「これ以上被害者が増えても困る」

[メイン3] 神原駿河 : 「あ、ああ……」
七七をもう一度おんぶすると、セナの横に並ぶ

[メイン3] テネブレア : 「ままぁ…!だいすきぃ………」

[メイン3] 神原駿河 : 「………ふむ」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…」
困ったような顔

[メイン3] 神原駿河 : 「病人に言うことではないが、誰かに全力で甘えられるには羨ましいかもしれない」

[メイン3] 七七 : 「……ん。」
背負われて少し嬉しそうに

[メイン3] 七七 : 「……七七たちも、手伝える?」

[メイン3] 神原駿河 : 「赤ん坊の世話は家族総出でするらしい、何か手伝ってあげられるかもな」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…まあ」

[メイン3] 氷室 セナ : 「そういうのは別の専門なので助言は貰います」

[メイン3] テネブレア : 「ままぁ……すぅ…すぅ……」

[メイン3] 氷室 セナ : そのまま、テネブレアを抱えてて歩いて行く

[メイン3] 神原駿河 : 「……ふむ、折角だ」
「寝る子を起こさぬ内に質問をさせていただこう」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…はい?」

[メイン3] 七七 : 神原の後ろからじっとセナを見つめる。

[メイン3] 神原駿河 : 「いやな、先程貴女が地面に放った技がずっと気になっていたのだ」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…ああ、波紋ですか」

[メイン3] 神原駿河 : 「あの息遣い、明らかに尋常の物ではなかった」

[メイン3] 氷室 セナ : 「あれは…見よう見まね、ですよ」

[メイン3] 神原駿河 : 「どういう『技術』なのだろうか?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「昔、吸血鬼を打ち倒す為に作られた力」

[メイン3] 氷室 セナ : 「過去に、それを行う人と任務で出会い」

[メイン3] 氷室 セナ : 「真似をしていた…が、そうすぐには覚えない」

[メイン3] 神原駿河 : 「……ふむ、なるほど」

[メイン3] 氷室 セナ : 「それをカバーする為に、ロレンチーニャにその未熟な波紋を倍増してもらってる」

[メイン3] 氷室 セナ : 「屍生人を仕留めるなら、それで行けますから」

[メイン3] 神原駿河 : 「なるほど……そういった、技なのか…」

[メイン3] 氷室 セナ : 「尤も…私のは技術としては殆ど知らないのです」

[メイン3] 氷室 セナ : 「出会いの時の呼吸を、じっくり真似してただけで」

[メイン3] 神原駿河 : 「……なるほど」

[メイン3] 氷室 セナ : 「なので、あくまでにわか仕立てです」

[メイン3] 神原駿河 : 「そういった由来の技だったのか……」

[メイン3] 氷室 セナ : 「ええ」

[メイン3] 七七 : 「……七七も、受けてたらまずかった?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「いや」

[メイン3] 神原駿河 : ……波紋、技術

[メイン3] 氷室 セナ : 「波紋は生命のエネルギー」

[メイン3] 神原駿河 : どうにも、頭に残る言葉だ

[メイン3] 氷室 セナ : 「恐らく、死体であるだけの貴女には効きません」

[メイン3] 氷室 セナ : 「まあ…生きてる人に打ち込むのもあまりよくないですが」

[メイン3] 七七 : 「……『死体』は、やめて。……でも、ちょっとだけよかったかも」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…っと、すいません」

[メイン3] 神原駿河 : 「……よかった?」

[メイン3] 神原駿河 : 「何か、身体に良い効果があるのだろうか?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…まあ、生物にはあくまで意味のない手ですよ」

[メイン3] 七七 : 「うん。生きてたら、周りの七七にも、効いたかも」

[メイン3] 神原駿河 : 「……ふむ」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…ああ、まあ」

[メイン3] 氷室 セナ : 「私ほどじゃ、ビリビリするだけです」

[メイン3] 七七 : 「せな。……それ、するがも、がんばったらできる?」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…恐らく」

[メイン3] 氷室 セナ : 「ただ聞いた話では」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…年単位で修業を重ねるものだそうです」

[メイン3] 七七 : 「むう……」

[メイン3] 神原駿河 : 「……修行、か」
「やはり、少し似ているがスタンドとは全く異なるのだな」

[メイン3] 氷室 セナ : 「…ええ、別かと」

[メイン3] 神原駿河 : ……常識から外れながら
それでも、スタンド、魂の力とは異なる“技術”

[メイン3] 神原駿河 : 初めて見た時から、どうにもその衝撃が頭から離れない

[メイン3] 氷室 セナ : 「…いつか」

[メイン3] 神原駿河 : まるで、引き寄せられる様に
興味が尽きないのだ

[メイン3] 氷室 セナ : 「財団の波紋戦士と会ってみると良いかと」

[メイン3] 氷室 セナ : 「私はあくまで医療班です」

[メイン3] 神原駿河 : 「…すごいな、あんな仙人みたいな技を、みんな習得してる集団がいるのか」

[メイン3] 氷室 セナ : 「今は少ないそうですがね」

[メイン3] 神原駿河 : 「物悲しいが、それも仕方がないか…」

[メイン3] 氷室 セナ : こくりと頷き

[メイン3] 七七 : 「……これが終わったら、するがも、練習してみる?」

[メイン3] 神原駿河 : 「……そうだな、今回みたいな事件があっても困る」
「真剣に練習を考えておこう」

[メイン3] 神原駿河 : ……ふむ

[メイン3] 神原駿河 : 思えば、“牙”も全く使いこなせていない

[メイン3] 神原駿河 : 結果的には良かったが、七七の時も、何もできていなかった…

[メイン3] 神原駿河 : ……セナさん達には世話になってばかりだ

[メイン3] 神原駿河 : もっと、強くあらねば

[メイン3] 神原駿河 : 『気高く、飢えるのだ』
かつてのように追われるのでは無く、正しく自分を磨く為に

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 : 黄金回転の世界
ここにいれるのは数秒間、だが今回は無理に無理を重ね続ける

[メイン3] 神原駿河 : “見つけなければ”

[メイン3] 神原駿河 : 真の“黄金の回転”
究極へと届き得る牙を

[メイン3] 神原駿河 : まるで早回しのビデオのように
牙と出会ってからの記憶を反芻し続ける

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] act3 : まだ、遠い

[メイン3] act2 : 少し、近く

[メイン3] : ここに、あった筈

[メイン3] 左腕 : ……左手が疼き、あの時の回転を思い出す

[メイン3] 神原駿河 : 初めてザ・ワールドに会った時
私は重要なヒントに出会った筈だ

[メイン3] 神原駿河 : そうだ、あの生命は
”自然“の形は

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] act4 : “魂の掃除人”

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 : アレは、『回転』の祖である一族が、私に引き寄せられた能力も持ち主さえ出会えなかった自然由来の存在

[メイン3] 神原駿河 : “魂”に関わる、未確認生命

[メイン3] 神原駿河 : なら、当然そこには──

[メイン3] 神原駿河 : 新たな形の、黄金長方形が眠っているッ!

[メイン3] 神原駿河 : 答えは見つけた、後は本番でどれだけ自分がやり切れるか

[メイン3] 神原駿河 : 新たなる牙を背に、戦場へと戻り始めた

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 : 20XX年、星が振った事で始まった騒動は一気に終息を迎え始めた

[メイン3] 神原駿河 : 根源が破壊された事により、禍を引き寄せていた“重力”のような物が破壊された──

[メイン3] 神原駿河 : と、後に『専門家』達は語ってくれたが、これから語るのはその少し前の話

[メイン3] 神原駿河 : 「……七七、本当にいいのか?」
廃墟の机に腰掛け、隣の小さな背に声を翔

[メイン3] 七七 : 「うん。」

[メイン3] 七七 : 「……赤い石、壊れた。七七、帰るところ、ない」
小さな机に腰掛けたまま、空をぼんやりと

[メイン3] 神原駿河 : 「……」

[メイン3] 神原駿河 : 「では、この仕事が終わったら。私と一緒に探さないか?」

[メイン3] 七七 : 「…………」

[メイン3] 七七 : 「…………!」

[メイン3] 神原駿河 : 「何、時間がかかるにしろ宿は提供するさ、私の家はとても広い」

[メイン3] 七七 : 「!」

[メイン3] 七七 : 「せなのより?」

[メイン3] 神原駿河 : 「ああ、アレよりも広い」
「とはいえ、和風なので趣味が合うかは…」

[メイン3] 七七 : 「……すごい。楽しみ」
「ううん。七七、和風も好きだよ。ほととぎす」

[メイン3] 神原駿河 : 「なら、良かった……」
机から跳ねると、ゆっくり窓へと歩み

[メイン3] 七七 : 「ん」
それに合わせて身体を跳ねさせ。

[メイン3] 神原駿河 : 「さあ、最後の仕事を片付けて、一緒に帰ろう」
「今のうちに、買って欲しい家具でも決めておきたまえ」

[メイン3] 七七 : 「うん。七七、頑張る」
「……ううん。……車のついた、おっきい椅子」

[メイン3] 神原駿河 : 「フフ、了解だ…!」

[メイン3] 神原駿河 : 眼下に蠢く吸血鬼率いる死者の群れへ向け、左腕を向けると──

[メイン3] 神原駿河 : 「行け、“牙”ッ!!」

[メイン3] act4 : スタンドを展開し、“帰り道”の為、眼前の敵へと突撃した

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :  

[メイン3] 神原駿河 :